ペット法務

犬・猫のマイクロチップ義務化|飼い主がすべき手続きをさいたま市の行政書士が解説

犬・猫のマイクロチップ義務化|飼い主がすべき手続きを行政書士が解説

この記事の要点

  • 2019年(令和元年)の動物愛護管理法改正により、2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップが販売する犬猫へのマイクロチップ装着・登録が義務化されました。
  • 購入した飼い主さんには、所有者情報を自分に書き換える「変更登録」が義務づけられています。取得から30日以内に手続きしましょう。
  • 登録先は環境大臣指定登録機関(公益社団法人日本獣医師会)が運営する「犬と猫のマイクロチップ情報登録」です。手数料は、オンライン申請で1件400円です。
  • すでに飼っている犬猫への装着は努力義務ですが、装着した場合は登録が義務になります。
  • 犬の場合、マイクロチップを登録すると狂犬病予防法上の鑑札とみなされ、市区町村での登録手続きが原則不要になります。

「登録したつもり」になっていませんか?

行政書士やなぎさわオフィスは、さいたま市でペット法務のサポートをしています。2022年のマイクロチップ装着・登録の義務化以降、「ペットショップで手続きをしたから登録も終わっているはず」と考える飼い主さんは少なくありません。しかし実際には、ペットショップなどで登録されている情報は販売事業者の情報であり、新しく飼い主となった方は、ご自身の情報へ変更登録を行う必要があります。この手続きが行われていないと、迷子や災害時に飼い主の特定ができないなど、マイクロチップ本来の役割を十分に果たせない場合があります。今回は、マイクロチップ義務化のポイントと、飼い主として知っておきたい手続きについて整理します。

1. マイクロチップとは

マイクロチップは、直径2mm・長さ8〜12mmほどの円筒形の電子標識です。獣医師が専用の注入器で、犬や猫の首の後ろの皮下に挿入します。チップには世界で唯一の15桁の番号が記録されており、専用のリーダーで読み取ることで、迷子や災害時に飼い主情報を照会できる仕組みです。

2. 義務化の内容と対象

販売業者(ブリーダー・ペットショップ)

2022年6月1日以降、犬猫等販売業者が取得した犬猫には、マイクロチップの装着と、環境大臣指定登録機関への情報登録が義務となりました。そのため、ペットショップやブリーダーから購入する犬猫には、基本的にすでにマイクロチップが装着され、販売店の情報で登録されています。

飼い主(購入者)

ブリーダーやペットショップから犬猫を購入した飼い主さんには、所有者情報を自分に書き換える「変更登録」が義務づけられています。犬猫と一緒に渡される「登録証明書」を使い、取得から30日以内に手続きしましょう。

既に飼っている犬猫の場合

ご家庭で既に飼っている犬猫へのマイクロチップ装着は努力義務であり、法律上の義務ではありません。ただし、装着した場合には、登録は義務になります。装着していない場合でも、迷子や災害時の備えとして、装着を検討する価値はあります。

3. 登録の手続きと手数料

登録先は、環境大臣指定登録機関(公益社団法人日本獣医師会)が運営する「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトです。パソコンやスマートフォンからオンラインで申請でき、郵送での手続きも可能です。

  • 新規登録・変更登録:オンライン申請1件400円、郵送1,400円
  • 登録証明書の再交付:オンライン申請300円、郵送1,300円
  • 住所・電話番号など登録内容の変更届出:無料

※上記登録手数料料は執筆時点の情報(2026年10月9日)となります。登録手数料は実費等を勘案して政令で定められており、改定されることがあります。最新の金額は、公式サイトでご確認ください。

既存の民間登録(AIPOなど)を利用していた方へ

2022年6月1日より前から、公益社団法人日本獣医師会が運営する民間のマイクロチップ登録制度(AIPO)を利用していた方は、そのデータベースは今回の指定登録機関のデータベースとは別のものです。環境省のデータベースへの移行を希望する場合は、別途の移行登録手続きが必要になるため、未対応の方は確認しておきましょう。

4. 装着にかかる費用

マイクロチップの装着自体にかかる費用は、動物病院によって幅があり、数千円〜1万円程度が目安です(ワクチン接種や不妊・去勢手術と同時に行うと、割引される場合もあります)。装着費用とは別に、上記の登録手数料がかかります。自治体によっては、装着費用の補助・助成を行っている場合もあるため、お住まいの自治体の制度をご確認ください。

5. 狂犬病予防法との関係(犬の場合)

犬を飼う場合、本来は市区町村へ犬の登録(鑑札の交付)と狂犬病予防注射の接種が義務づけられています。

2022年6月1日からは、狂犬病予防法の特例制度が始まりました。生後91日齢以上の犬について、指定登録機関にマイクロチップ情報を登録すると、そのマイクロチップが鑑札とみなされ、市区町村での犬の登録手続きや、鑑札の装着が原則不要になります。

ただし、狂犬病予防注射を受けた際の注射済票の交付など、別途必要な手続きは引き続き残ります。また、この特例はマイクロチップを指定登録機関に登録している場合に限られるため、「装着しているが登録していない」状態では適用されません。

6. 注意しておきたいポイント

  • 登録情報の更新を忘れない:引っ越し、電話番号の変更、飼い主の変更があった場合は、速やかに届出(無料)を行いましょう。
  • 健康への影響はほとんどないが、まれに体内での移動や脱落の報告もある:気になる症状があれば、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
  • マイクロチップは首輪や迷子札の代わりにはならない:マイクロチップは専用のリーダーがないと読み取れません。外見からすぐに飼い主を特定できるよう、首輪や迷子札との併用が安心です。

7. 行政書士ができること・できないこと

マイクロチップの変更登録そのものは、飼い主さんご自身がオンラインで比較的簡単に行える手続きです。一方で、報酬を受け取って登録手続きを代行することは、行政書士など資格を持つ者以外が行うと法律違反になるとされており、この手続きが行政への届出に関わる専門性の高いものであることがうかがえます。

行政書士やなぎさわオフィスでは、マイクロチップの登録そのものよりも、ペットの譲渡契約書へのマイクロチップ番号の記載、動物取扱業の登録申請、ペット信託・遺言書作成の際のペット情報の整理など、マイクロチップ情報を活用した書面づくりの面でサポートしています。

よくある質問(Q&A)

Q. ペットショップで購入した犬猫は、何もしなくてよいですか?
A. いいえ。販売店の情報から、ご自身の情報への変更登録が必要です。30日以内に手続きしましょう。

Q. 知人から犬猫を譲り受けた場合はどうなりますか?
A. 販売業者からの購入ではないため、マイクロチップの装着自体は義務ではありませんが、装着するよう努めることとされています。すでに装着・登録されている場合は、ご自身への変更登録を行いましょう。

Q. マイクロチップを登録すれば、犬の鑑札は不要になりますか?
A. 生後91日齢以上の犬で、指定登録機関にマイクロチップ情報を登録している場合、鑑札とみなされ、市区町村での登録手続きは原則不要になります。ただし、狂犬病予防注射に関する手続きは別途必要です。

Q. 登録情報はどこで確認・変更できますか?
A. 「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトから、オンラインで確認・変更ができます。わからない点は、専用コールセンター(03-6384-5320)でも案内しています。

Q. ペットの譲渡を考えています。マイクロチップについて何を準備すればいいですか?
A. 当オフィスの記事「ペット譲渡契約書に入れておくべき重要項目とは?」もあわせてご覧ください。マイクロチップ番号の記載方法について解説しています。

ペット法務のことなら行政書士やなぎさわオフィスへ

マイクロチップは、万一の迷子や災害時に、大切な家族を守る重要な手がかりです。登録情報を正しく保つことが、その効果を発揮させる第一歩になります。行政書士やなぎさわオフィスは、さいたま市を拠点に、ペット譲渡契約書の作成、ペット信託や遺言書、動物取扱業の登録申請、ペットの事故・近隣トラブルの書面作成など、ペット法務を幅広くサポートしています。

ご相談内容が整理できていなくても大丈夫です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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