防犯カメラを設置しただけで安心していませんか?IoT機器の脆弱性を1台で守る「Pico-UTM 100S」とは
前回の記事では、埼玉県の空き巣被害データをもとに、防犯カメラを複数台設置して死角を減らすことの重要性についてお伝えしました。物理的な防犯対策として、防犯カメラの導入は非常に効果的です。しかし、ここで一つ見落とされがちな視点があります。それは、防犯カメラそのものが「ネットワークに接続されたIoT機器」であり、サイバー攻撃の標的になり得るという事実です。
以前の記事でも触れましたが、スマートロックや防犯カメラといったIoT機器は、Wi-FiやBluetoothなどの無線通信を使ってインターネットに接続するため、ハッキングや不正アクセスのリスクを完全にゼロにすることはできません。せっかく侵入窃盗を防ぐために導入した防犯カメラが、初期設定のパスワードのまま放置されていたり、ファームウェアが更新されていなかったりすれば、逆にネットワーク全体への侵入口になってしまう可能性すらあります。
今回は、この「IoT機器特有のサイバーリスク」を、物件単位でどう管理すればよいのかという視点から、賃貸オーナー・管理会社向けにUTM(統合脅威管理)機器という選択肢をご紹介します。
この記事でわかること
- 防犯カメラなどIoT機器が抱えるサイバーリスクの実態
- 端末ごとの対策では管理しきれない理由
- UTM(統合脅威管理)という仕組みの基本的な考え方
- 「Pico-UTM 100S」がもつ具体的な機能と特長
- 防犯カメラ・スマートロックは「狙われる入口」になり得る
防犯カメラやスマートロックは、Wi-FiやBluetooth通信を通じてサーバーやスマートフォンと接続する仕組みを持っています。この通信経路は、暗号化が不十分な場合や、初期設定のパスワードのまま運用されている場合、攻撃者にとって狙いやすい標的になります。実際に、不正アクセスによってスマートロックが解錠され盗難被害につながった事例や、解錠履歴が漏えいして生活パターンが第三者に知られてしまった事例なども報告されています。
賃貸物件のオーナーとして特に注意したいのは、複数の住戸や共用部に同一のIoT機器を導入する場合です。一つの機器の脆弱性が見つかれば、同じ設定のまま稼働している他の機器も同様のリスクを抱えていることになります。さらに、防犯カメラや管理システムが、入居者の個人情報や物件の管理データを扱うネットワークと同じ環境に接続されている場合、その一点の脆弱性が、物件全体の情報管理にまで影響を及ぼす可能性があります。
つまり、防犯カメラを設置して「物理的な防犯」を強化する一方で、その防犯カメラ自体を含めた「ネットワークの防犯」も同時に考える必要があるということです。
端末ごとの対策では、管理が追いつかない
このような話を聞くと、「では防犯カメラ1台ごとにセキュリティ対策をすればよいのでは」と思われるかもしれません。しかし、実際の賃貸物件の運用を考えると、これは現実的ではありません。
防犯カメラだけでなく、管理会社のパソコン、入退室管理用のタブレット、複合機、ルーターなど、物件のネットワークには多種多様な機器が接続されています。これらすべてに個別のセキュリティソフトを導入し、個別にアップデート状況を確認し、個別に脅威を監視するというのは、専任の担当者がいない多くの賃貸オーナー・管理会社にとって、実務上ほぼ不可能な作業です。
ここで有効な考え方が、ネットワークの「入口」で一括して脅威をブロックする方法です。個々の端末を守るのではなく、ネットワークに出入りする通信そのものを監視し、怪しい通信を検知・遮断する。この役割を担うのが、UTM(Unified Threat Management、統合脅威管理)と呼ばれる機器です。
UTMとは何か——「1台でネットワーク全体を守る」という発想
UTMとは、ファイアウォール、アンチウイルス、不正侵入防御、Webフィルタリングといった複数のセキュリティ機能を1台のハードウェアに統合した装置です。ルーターの後ろに設置することで、そのネットワークに接続されているすべての端末——パソコンやタブレットはもちろん、防犯カメラやスマートロックといったIoT機器も含めて——を、外部からのサイバー攻撃から一括して保護することができます。
端末ごとに個別の対策を施すのではなく、ネットワークの入口に1台設置するだけで全体を守れるため、導入・運用コストを大幅に抑えられる点が大きな特徴です。専任のIT担当者がいない事業者であっても、比較的少ない負担で一定水準のセキュリティ体制を構築できる点も、UTMが注目される理由の一つです。
「Pico-UTM 100S」とはどのような機器か
ここで具体的な選択肢としてご紹介したいのが、台湾Lionic Corporationが開発した「Pico-UTM 100S」です。

Lionic社は2003年に設立されたネットワークセキュリティの企業で、シスコシステムズ、Google、NEC、IBMといった大手企業に技術供与を行っている、ディープパケット検査(DPI)技術のリーディングカンパニーです。Pico-UTM 100Sには、このLionic社が開発した特許DPIエンジンが搭載されており、検知率99%以上という高い精度で脅威を検知することができます。
機能面では、ファイアウォール、Web脅威ブロック、ジオブロッキング(特定地域からの不審な通信の遮断)、アンチウイルス、不正侵入検知・防御、メールセキュリティといった複数のセキュリティ機能を1台に統合しています。本体のウイルス定義ファイルは自動的にアップデートされ、常に最新の脅威情報を反映した状態が維持される仕組みです。クラウド連携によるスキャンデータも常時更新されるため、新しい攻撃手法に対しても継続的な防御が期待できます。
処理速度の面でも、スループット700Mbpsというセキュリティ機器としては高い水準を確保しており、セキュリティ対策を行いながらも通信速度の低下を抑えられる設計になっています。本体サイズは116(幅)×25(高さ)×91(奥行)mm、重さ135gという手のひらサイズのコンパクトな筐体で、設置場所を選ばない点も実務上のメリットです。
賃貸オーナー・管理会社にとっての導入メリット
Pico-UTM 100Sは、既存のルーターとLANケーブルでつなぐだけのプラグアンドプレイ方式を採用しており、工事や複雑な初期設定を必要としません。管理画面はブラウザからアクセスでき、表示も日本語対応のため、専任のIT担当者がいない環境でも、脅威ログの確認や運用が行いやすい設計になっています。複数の物件を所有・管理している場合は、CMS機能を使って複数拠点の状況をまとめて監視できる点も、複数物件を運用する賃貸オーナーにとって実務的な利点です。
また、Pico-UTM 100Sは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する「サイバーセキュリティお助け隊サービス制度」の認定機器としても登録されており、IT導入補助金など公的な支援制度の対象となり得る点も、導入コストを検討する際の判断材料になります。
防犯カメラやスマートロックといったIoT防犯設備への投資は、物件の競争力を高める有効な手段です。しかしその投資効果を本当に活かすためには、設置した機器そのものが「新たな弱点」にならないよう、ネットワーク全体を一括して守る仕組みをあわせて検討することが、これからの賃貸経営におけるリスク管理の一部になっていくと考えられます。
まとめ:物理防犯とサイバー防犯は、両方揃ってはじめて完成する
防犯カメラを複数台設置し、死角のない監視体制を構築すること。そして、その防犯カメラを含めたネットワーク全体を、外部のサイバー攻撃から守ること。この両方が揃ってはじめて、賃貸物件における「防犯対策」は本当の意味で完成すると言えます。
「防犯カメラを設置したから安心」で終わらせず、その先にあるネットワークのリスクにも目を向けていただくことが、これからの賃貸経営においては重要な視点になってくるはずです。
Pico-UTM 100Sの詳しい機能や導入事例、お見積りについては、以下のページで詳しくご紹介しています。ご自身の物件のネットワーク環境に合わせた具体的なご相談も承っておりますので、ぜひ一度ご確認ください。
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